相続税申告の税理士費用はいくら?報酬相場と追加料金を解説

🕒 2026-09-04

相続税申告を税理士に依頼する場合の費用はいくら?遺産総額別の税理士報酬相場、基本報酬と追加料金、土地や相続人数によって費用が変わる理由、見積もりの比較方法、税理士選びのポイントまでわかりやすく解説します。

相続が発生し、「相続税の申告を税理士に依頼すると、いくらかかるのだろう」と不安に感じる方は少なくありません。

相続税申告の税理士費用には全国一律の料金があるわけではなく、遺産総額、土地の数、相続人の人数、非上場株式の有無などによって変わります。そのため、同じ5,000万円の遺産でも、財産の内容によって見積もりが異なる場合があります。

また、最初に提示された基本料金だけを見て契約すると、土地評価や相続人追加、書面添付などによって追加料金が発生することもあります。

相続税申告には期限もあるため、費用だけでなく、どこまで対応してもらえるのかを確認することが重要です。

ここでは、相続税申告を税理士へ依頼する場合の費用相場、料金が変わる理由、追加費用、依頼の流れ、見積もりの比較方法、税理士選びのポイントまで解説します。

相続税申告を税理士に依頼する費用の相場

相続税申告の税理士報酬は、一般的に遺産総額を基準として基本料金を設定し、案件の複雑さに応じて加算報酬を追加する方式が多く見られます。

2026年時点の複数の公開料金情報では、相続税申告の税理士報酬について、遺産総額のおおむね0.5~1.0%程度が一つの目安として示されています。

ただし、これは固定された料金ではありません。実際の費用は税理士事務所の料金体系や財産内容によって異なります。

遺産総額別の税理士費用の目安

遺産総額税理士費用の目安
5,000万円未満約20万~50万円
5,000万~7,000万円約30万~60万円
7,000万~1億円約50万~80万円
1億~2億円約80万~150万円
2億~3億円約130万~200万円
3億円以上個別見積もりになる場合が多い

上記はあくまで一般的な目安です。

例えば、遺産5,000万円の大部分が預貯金で相続人も少ないケースと、同じ5,000万円でも複数の土地や非上場株式が含まれているケースでは、申告に必要な作業量が異なります。

そのため、**「遺産総額だけで税理士費用が決まるわけではない」**ことを理解しておく必要があります。

相続税の税理士費用は何で決まる?

税理士報酬は一般的に、

基本報酬+加算報酬+その他の実費

という形で構成されます。

見積もりを比較するときは、基本報酬だけでなく、追加料金まで含めた総額を見ることが重要です。

遺産総額

基本報酬を決める代表的な基準です。

遺産総額が大きくなるほど確認する財産や申告業務が増える傾向があるため、料金も段階的に高くなる料金体系が一般的です。

ただし、「遺産総額」の計算基準は事務所によって異なる場合があります。特例適用前の財産額を基準とするのか、債務控除前の金額なのかなど、見積もり時に確認しておくと安心です。

土地の数と評価

相続税申告で費用差が生じやすい項目の一つが不動産です。

現金や預貯金は金額を確認しやすい一方、土地については所在地、面積、形状、道路との接し方、利用状況などを確認して評価する必要があります。

土地を複数所有している場合や評価が複雑な土地が含まれている場合は、追加報酬が設定されることがあります。

相続人の人数

相続人が増えると、確認する資料や申告書作成に必要な作業が増える場合があります。

そのため、基本料金には一定人数までが含まれ、それを超えると相続人1人ごとに加算料金が発生する料金体系もあります。

非上場株式

被相続人が会社経営者などで非上場株式を所有していた場合、株式評価が必要になることがあります。

上場株式と異なり市場価格がそのまま存在しないため、会社の財務内容などをもとに評価する必要があり、追加費用が発生するケースがあります。

海外資産や特殊な財産

海外不動産、海外預金、外国株式などが含まれる場合も、通常の相続税申告より確認事項が増える可能性があります。

財産内容が複雑な場合は、最初から個別見積もりになることもあります。

税理士費用で発生しやすい追加料金

「基本料金が安かったのに、最終的な請求額が予想より高かった」という状況を避けるには、追加料金の確認が重要です。

代表的な項目を整理すると次のようになります。

追加費用の項目追加料金が発生する主なケース
土地評価土地を所有している、土地数が多い
相続人加算相続人が基準人数を超える
非上場株式評価オーナー企業などの株式がある
海外資産海外預金・不動産などがある
書面添付税理士法上の書面添付を依頼する
現地調査土地などの現地確認が必要
期限直前対応申告期限までの期間が短い
税務調査対応申告後に税務調査対応を依頼する

すべての項目で必ず追加料金が発生するわけではありません。基本報酬に含めている事務所もあります。

そのため、「土地評価はいくら」と項目別に見るだけではなく、自分の相続ケースで最終的に支払う総額を確認しましょう。

相続税申告には期限がある

相続税の申告と納税は、原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります。

例えば被相続人が1月6日に亡くなり、その日に死亡を知った場合、原則として11月6日が申告期限となります。期限が土曜日・日曜日・祝日などに該当するときは、その翌日が期限になります。

申告期限を過ぎたり、本来より少ない金額で申告したりすると、本来の税額以外に加算税や延滞税が発生する場合があります。

そのため、「遺産分割が決まってから税理士を探せばよい」と考えるのではなく、財産調査などに必要な期間も考えて準備することが重要です。

また、遺産分割協議が終わっていないことだけを理由として、相続税の申告期限が自動的に延長されるわけではありません。

そもそも相続税申告が必要か確認する

遺産を相続した人全員に相続税が発生するわけではありません。

相続税には基礎控除があり、基本的には次の計算式で求めます。

3,000万円+600万円×法定相続人の数

例えば法定相続人が3人の場合、

3,000万円+600万円×3人=4,800万円

となります。

正味の遺産額が基礎控除額を超える場合には、相続税がかかり、申告・納税が必要になるのが基本です。

相続税を計算するときは、一定の債務や葬式費用などを遺産総額から差し引ける場合もあります。

ただし、財産評価や特例の適用によって申告の要否が変わるケースもあるため、単純に銀行預金と不動産の購入価格を合計するだけで判断しないことが重要です。

相続税申告を税理士に依頼するメリット

相続税申告は自分で行うこともできます。そのため、必ず税理士に依頼しなければならないわけではありません。

一方、財産内容が複雑なケースでは専門的な判断が必要になることがあります。

特に土地が含まれる相続では、相続税法や財産評価基本通達などに基づいて財産評価を行う必要があります。

また、財産調査、必要書類の整理、相続税額の計算、申告書作成などには一定の時間が必要です。

税理士へ依頼すると費用は発生しますが、申告作業の負担を軽減できることや、財産評価・適用可能な制度について専門家の確認を受けられる点が主なメリットです。

相続税申告を税理士に依頼する流れ

1.相続財産を整理する

まず、預貯金、不動産、有価証券、生命保険、借入金など、被相続人が所有していた財産と債務を整理します。

財産の全体像がわかるほど、税理士側も費用を見積もりやすくなります。

2.税理士に状況を伝える

遺産総額の概算、相続人数、土地の数、非上場株式の有無、申告期限などを伝えます。

資料が十分そろっていない段階でも相談できる場合がありますが、情報が少ないと正式な見積もりを出せないことがあります。

3.見積もりを確認する

基本報酬と追加報酬を確認します。

特に、

・土地評価料金 ・相続人加算 ・非上場株式評価 ・書面添付 ・税務調査対応 ・その他実費

が基本料金に含まれているか確認しましょう。

4.財産評価・申告書作成

必要書類を提出し、税理士が財産評価や相続税額の計算を進めます。

遺産分割の内容など必要な情報を確認したうえで、申告書が作成されます。

5.申告・納税

申告内容を確認した後、期限までに申告と納税を行います。

相続税申告書の提出先は、被相続人が死亡時に日本国内に住所を有していた場合、原則として被相続人の住所地を所轄する税務署です。相続人自身の住所を管轄する税務署ではない点に注意が必要です。

相続税に対応する税理士の選び方

税理士には法人税、所得税、相続税などさまざまな業務分野があります。

相続税申告を依頼するときは、料金だけではなく、相続税申告への対応経験や料金体系も確認することが重要です。

相続税申告の経験を確認する

相続税では土地評価など特有の業務があります。

事務所のWebサイトなどで、相続税申告の取扱実績、担当税理士の経歴、対応可能な財産の種類などを確認すると比較しやすくなります。

料金表がわかりやすいか

「基本料金○万円~」だけでは、最終的な費用を判断できません。

どのような場合に土地加算や相続人加算が発生するのか、追加料金の条件が明確か確認しましょう。

見積もりの範囲を確認する

同じ50万円の見積もりでも、一方は土地評価や書面添付まで含み、もう一方では別料金ということがあります。

金額だけではなく、何が料金に含まれているかを比較することが重要です。

契約内容と申告後の対応を確認する

契約書や業務範囲についても確認します。

申告後に税務署から問い合わせがあった場合の対応や、税務調査が発生した場合の料金が契約に含まれているかも確認しておくとよいでしょう。

口コミやインターネット上の評価も参考情報にはなりますが、それだけで判断せず、料金、業務範囲、説明のわかりやすさなどと合わせて比較しましょう。

相続税の税理士費用を抑える方法

税理士費用を抑えるために、単純に最も安い事務所を選ぶ必要はありません。

重要なのは、自分の相続に必要なサービスを整理して比較することです。

まず、預金残高、不動産、証券、生命保険、債務などの資料を可能な範囲で整理しておくと、財産内容を把握しやすくなります。

また、申告期限直前になると通常より対応期間が短くなるため、期限直前加算が設定されている事務所では費用が高くなる可能性があります。相続が発生したら早めに財産の整理を始めることが重要です。

複数の見積もりを比較する場合は、同じ条件を伝えましょう。

「遺産総額約8,000万円・相続人3人・土地2か所・非上場株式なし」

のように条件をそろえることで、料金差の理由を把握しやすくなります。

税理士費用の見積もりで確認したいポイント

見積書を受け取ったら、最終金額だけを見るのではなく、内訳を確認します。

特に確認したいのは次の項目です。

・基本報酬はいくらか ・遺産総額をどのように計算しているか ・土地評価は含まれているか ・相続人が増えると追加料金が発生するか ・非上場株式や特殊財産の評価費用はいくらか ・書面添付は料金に含まれるか ・実費として別途必要なものはあるか ・申告後の問い合わせ対応は含まれるか ・税務調査対応は別料金か ・消費税を含めた支払総額はいくらか

「基本報酬30万円」と「総額30万円」は同じ意味ではありません。

見積もり比較では、追加料金が発生する条件まで含めた総額を見ることが重要です。

まとめ|相続税の税理士費用は総額と業務内容で比較する

相続税申告の税理士費用について押さえておきたいポイントは3つです。

1つ目は、税理士費用が遺産総額だけでは決まらないことです。 一般的には遺産総額の0.5~1.0%程度が一つの目安ですが、土地、相続人数、非上場株式、海外資産などによって料金が変わる場合があります。

2つ目は、基本報酬ではなく最終的な総額を確認することです。 土地評価や相続人加算などが別料金になっていることがあるため、同じ条件で複数の見積もりを比較すると判断しやすくなります。

3つ目は、料金だけで税理士を選ばないことです。 相続税申告への対応経験、料金の透明性、契約内容、説明のわかりやすさ、申告後の対応などを含めて総合的に比較することが重要です。

相続税には申告期限があります。費用を確認すると同時に財産の種類や相続人の状況を整理し、期限から逆算して準備を進めることが大切です。